標準化ではなく「最適化」を実現
~協力工場18社を一気に改修、Magic xpaで柔軟かつ高性能な生産管理システム~

▲株式会社タダノシステムズ (株式会社タダノ 構内)
日本の製造業の強みは、現場力と技術力を備えた中堅・中小企業の存在です。現場に根付いた業務フローや帳票設計は多様で、一般的なパッケージソフトだけでは対応しきれません。
求められているのは、個々の現場に合わせた“最適化”。
この課題に向き合い、タダノシステムズが選んだのが、マジックソフトウェア・ジャパンのローコード開発ツール「Magic xpa」でした。
Magic xpaは、現場の業務改善や生産性向上に貢献し、製造業のデジタル化を支える開発基盤として、多くの企業に選ばれています。
さらに、タダノシステムズではMagic xpaの柔軟性を活かし、導入時は必要最小限の機能からスタート。業務の変化に合わせて段階的に拡張・カスタマイズできる生産管理システムを開発しました。多種多様な製造業の現場で、最適な業務フローに柔軟に対応できるシステムとして提供しています。
タダノの挑戦と、グループのITを担うタダノシステムズ
株式会社タダノ(以下、タダノ)は、1955年に日本初の油圧式トラッククレーンを開発。2023年には、世界初のフル電動ラフテレーンクレーンを市場投入するなど、建設機械業界に革新をもたらしてきたグローバル企業です。
そのタダノグループのIT戦略を担うのが、1987年に設立された株式会社タダノシステムズ(以下、タダノシステムズ)。基幹システムの開発・運用から、ITインフラ、EDI連携、サプライヤー支援まで、タダノおよび協力企業をIT技術で支えています。
協力工場と共に進めた現場最適化
タダノシステムズは、1980年代から協力工場との業務をペーパーレス化し、受発注の電子化による生産性向上を進めてきました。やがて、現場ごとの要望に応じて、生産スケジュール管理や発注処理までシステム化が拡大していきます。
生産管理システムは、タダノ本体と、その協力企業(多くが中小製造業)を中心に利用されています。協力企業の中には、タダノ以外の他のメーカーと取引するケースもあります。
取引先が増えれば、それぞれ異なる業務フローやレギュレーションに対応する必要が生じます。Magic xpaなら、そうした現場ニーズに応じたカスタマイズや改修がしやすく、現場にフィットした運用が可能です。
Magicを選んだ理由~改修がしやすく、現場に合わせやすい~
1990年代半ば、PC化の進展にあわせ、タダノシステムズはVB、COBOL、Accessを含めた複数の開発環境を検討。その中で選ばれたのがMagicでした。
「工場ごとにやっていることが違うので、パッケージ共通化は難しい。Magicなら、最初に作った生産管理のベースを拡張しながら、現場に合わせて広げていけた」——統括部長 兼 ITビジネス部長 兼 総務グループマネジャー 木田敏博氏

▲統括部長 兼 ITビジネス部長 兼 総務グループマネジャー 木田敏博氏
Accessはトランザクション処理に限界があり、COBOL・VBでは改修効率に課題がありました。Magicは、データモデル管理や画面部品の再利用がしやすく、IT専任者がいない工場でも運用しやすい開発環境です。
「項目の長さ変更やキー変更が必要な改修では、Magicのデータベースとモデルの設計がしっかりしているため、影響範囲が把握しやすく、非常に効率的に作業が進められました。」——ITビジネス部 パッケージ開発グループマネジャー 濱田護氏

▲ITビジネス部 パッケージ開発グループマネジャー 濱田護氏
18社の一斉改修に見る、Magic xpaの開発生産性
2006年、タダノの基幹システム刷新にともなうデータ項目変更に際し、約18社の協力工場の生産管理システムを一斉に改修。Magic xpaの特性を活かし、規模の大きな工場では1カ月、早いところではわずか数日で改修を完了しました。他言語では6カ月以上かかった改修もある中、Magicが改修工数・コスト削減に大きく貢献したことは明らかです。
「OSが変わっても、Magicなら引き継げる。作り替えずに拡張し、長く使い続けられる」——木田氏
3名で12社分の改修を担当できたという実績も、Magicならではの生産性の証です。
進化する現場対応型システム
Magic xpaは、開発画面上でデータベース・ロジック・UIを一元管理でき、仕様変更時のデータ項目変更でも影響範囲を可視化できる設計環境を備えています。これにより、ユーザーと共に仕様を確認しながら柔軟に作り上げていく“プロトタイピング開発”を実現しています。
また、協力工場の個別ニーズに対応し、部品点数の増加やトレサビリティ強化といった新たな要件にも柔軟に対応しています。
「今後は、Magicユーザー同士の交流や他社事例も参考にし、さらに現場適応力を高めていきたい」 ——木田氏
つながる現場、広がる価値 ─ サプライチェーンを支える生産管理システム
タダノの実務現場で実践的に鍛えられたシステムだからこそ、汎用パッケージでは得られない現場視点が反映されています。そこには“現場で培われた実用性”という大きな強みがあります。
また、協力会社とのサプライチェーンを維持・強化する“共創の基盤”としても機能しています。タダノ流の生産・取引ルールに準拠しつつ、各社ごとの事情に合わせた柔軟な運用が可能。協力企業の業務効率向上と、結果的なタダノの競争力向上にも寄与しています。
この生産管理システムはタダノグループにとどまらず、製造業全体の業務改善・効率化にも貢献できる拡張性を持っています。タダノグループで培った知見を広く製造業に提供し、業界全体の課題解決に貢献することは、タダノシステムズの社会的意義の一つといえるでしょう。
「Magicを中心に、Visual Studioなど他のツールと組み合わせることで、省力化・自動化ニーズにも柔軟に対応しています。」——濱田氏
Magic xpaは、製造業の業務変革を支える、マジックソフトウェア・ジャパンの信頼の開発基盤です。今後も、ものづくりのDXを力強く支援していきます。
タダノシステムズが開発・展開する生産管理システム
タダノシステムズでは、Magic xpaを基盤に、協力工場向けに開発してきた生産管理システムのノウハウを活かし、より幅広い製造業向けに対応した製品としても展開しています。

▲タダノシステムズ社 「生産管理システム」概要
■特長
必要最小限の機能からスタートし、業務変化や取引先の要件に合わせて段階的に機能を拡張できる柔軟性が特長です。多種多様な製造業の現場に対応し、長期運用と業務最適化の両立を実現します。
■柔軟性を活かしたカスタマイズ事例
・自動倉庫との連携
出荷指示に応じて荷札を印刷し、自動倉庫の出荷順に合わせて作業効率を向上。
・図面管理との連携
受注伝票の印刷時に、ファイリングシステムから該当図面データを自動呼び出し。
・発注先向け引当予定リストの提供
注文情報とは別に、部品の使用予定を納入先へ通知。納期調整や供給体制の強化に貢献
詳細はタダノシステムズ公式サイトをご覧ください。
お客様情報
株式会社タダノシステムズ
本社所在地:香川県高松市新田町甲34番地
公式サイト:https://sys.tadano.co.jp/systems/