jBOLTを使い、異なるDBを統合
KONA経由でレガシーシステムとも連携

生産者と消費者をASPシステムでつなぐ

ファーマインドは、「青果流通の生産者と消費者をつなぐ」というコンセプトの下、生 産者・中間流通業者・小売業者向けの各ASPサービスや、「本当の市場.com」「食宣伝.com」などの eマーケットプレイス型コミュニケーションツールを提供しています。またこのほか、生産者のメッセージを売場に展開して消費者に伝えるフィールドマーチャ ンダイジング活動や、青果物の生産および販売に関する総合的なコンサルティング活動、コンタクトセンター(お客様相談室)機能の提供や人材派遣など、IT 以外の方法を組み合わせて生産者と消費者をつなぐ事業も展開しています。

その同社が今、マジックソフトウェア・ジャパンの協力を得て、利用者サービスの拡大と経営基盤強化の取り組みを進行中です。

同社はこれまで、5種類の ASPサービスを提供してきました。スタートが最も早かったのは「FAN’S(Freshmix Agricultural Network System)」と呼ばれる青果物向けB2Bマッチングサービスで、生産者と中間流通業者間で日々発生する受発注や在庫管理をオンラインで提供していま す。

2003年のサービス開始以来、既に 300社近いユーザー会員が利用し、800億円超の通過高があります。

2番目は、2006年にスタートしたスーパーや量販店など小売業者向けのオンライン受発注 コミュニケーションツール「eON(e-OrderNet)」で、こちらも順調に利用が拡大しています。そして、「生産者向け栽培履歴管理システム」や 「海外生産者向け需給調整システム」などがあり、現在は 3番目の大型システムとして、まもなくサービスを開始する青果仲卸向け支援システム「N-システム」を開発中です。

これは、商流(発注書~請求)と物流(入荷~出荷)の両方を一元管理し、業務の効率化や正確性の向上、単品の粗利管理などを実現します。

なお、海外生産者向け需給調整システムは Magic eDeveloperと MetaFrame(シトリックス・システムズ・ジャパン)の組み合わせで構築され、生産者向け栽培履歴管理システムのほうは現在、当初のJavaプログ ラムを Magicリッチクライアントへ移行中です。

 

KONAを使いレガシーシステムと連携

ところで、こうしたASPサービスはユーザーが Webシステムへアクセスし利用するのが基本ですが、時にはファーマインド側からユーザー側へデータを転送する必要が生じます。例えば、ASPシス テム上でやり取りされた発注などの取引データがそれです。会員・関連企業は、ファーマインド側から送信されてきたデータを基幹システムへ取り込むこ とにより、請求や出庫などの基幹業務を効率化できます。

このような場合、ユーザー側基幹システムが PCサーバー上にあれば取引データをテキストまたは CSVなどにして FTPで転送すれば済みますが、IBMのミッドレンジサーバー System i上で稼働しているような時は、データを受け取るためのプログラムやユーザー・インターフェースが別に必要になります。会員・関連企業へのサービスを充実 させるためにも、ファーマインド側では「何とか対応したい」(吉田晃久取締役 情報統括室室長)と考えていました。

「System iへのインターフェース機能の実装には、これまで大きな工数を必要としてきました。そこでユーザー側に負担が生じないインターフェースの作成手段がないかを検討し始めました」(吉田氏)

そして採用したのが、三和コムテックの「KONA」です。KONAは、既存システムの変更・カスタマイズを一切必要とせずに Web化を実現でき、さらに複数の異機種ホストとオープン系 Webシステムのデータ連携を可能にします。

「さまざまな手法を検討しましたが、KONAであれば、お客様側のプログラムを変更せずにデータ連携が可能で、また当社側の導入も非常に容易であることが分かりました」と情報統括室統合システム開発チームの松本隆幸マネージャーは語ります。

フレッシュリミックス側の ASPシステムから KONAへ送られたデータは、KONA上でスクリプト変換が行われ、ユーザー側System iへダイレクトに送り込むことができ、5250画面で操作が可能です。

 「KONAは、System i以外にも、IBMメインフレームや富士通、日立、NECの各ホストに対応するので、サービスの提供範囲を大きく拡大できると考えています」と吉田氏は評価しています。

 

各種 DBのデータをjBOLTで統合・一元化

一方、同社が今、経営基盤の強化策として構築中なのが、マジックソフトウェア・ジャパンのjBOLTを使った「オフィシャルデータベース」です。

 「弊社が提供中のASPシステムは、各事 業の目的に合わせて構築されたため、開発言語は Java、.NET、Magic eDeveloperなどとまちまちでデータベースも別々、商品のコード体系もそれぞれ違っています。その結果、各システムのデータを統合して一元管理す ることができず、商品別・会員企業別などのグローバルな分析が行えませんでした」と吉田氏はオフィシャルデータベース構築の理由を説明します。

構築中のシステムは、各システムのOracle、SQL Serverなどのデータを jBOLTが収集し、それをオフィシャルデータベースへ蓄積し、ユーザーが BIツール「Yellow fin」(京セラ丸善システムインテグレーション)を使って分析する仕組みになる予定です。

 「この構築で最も工数がかかったのは、青 果商品のコード体系の統一です。例えば、トマトといっても 100種以上の品種があり、システム別に異なるコードが用いられてきました。それをどう一元化するかが、今回の統合 DB化のポイントです。それに対し、各システムから情報を集めるほうは jBOLTのデータマッパー機能を使うことにより驚くほど短期間に作業を終えることができました。特別な知識や技術がいらないという点も、短期構築につな がったと思います」(松本氏)

オフィシャルデータベースは、まもなくサービスインします。その活用により、同社のサービスがさらに充実するものと期待されています。

図 jBOLTとKONAの活用によるデータ/ DB連携

 

 

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株式会社ファーマインド(https://www.farmind.co.jp/index.html

本社:東京都千代田区神田和泉町1番地 神田和泉町ビル7階

設立:2006年

※2015年7月1日にフレッシュMDホールディングス(株)、(株)フレッシュシステム、
フレッシュリミックス(株)、アインバンドホールディングス(株)の4社が合併し、(株)ファーマインドに商号変更

資本金:1億円(2008年12月8日現在)

売上高:32億円

従業員:180名

事業内容:

青果流通に向けた日本で唯一の情報サービス・トータル プロバイダー。従来の青果流通では考えられなかったインターネット活用にいち早く取り組み、青果取引の Webインフラを形成。マッチングサイトの「eマーケットプレイス」を通じて、ITを活用した新しい取引の仕組みと場を提供している。

 

 

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